「抗ガン剤論

世界で最大の売上一兆円を計上したクレスチン(主に消化器ガン用)がそうだった。ク
レスチンの成分はサルノコシカケ科のカワラタヶというキノコの菌糸体から抽出した多糖
それをあえて無視したのは、善意にとって医師が添付文書の「警告」「使用上の注意」
を読まなかったからにほかならない。この慣習は、医師の忙しさもあるが、製薬企業のM
Rがやたら参考書や学術書、そして自社製品パンフを持ち込み、文書漬けにしてしまった
からだ。

 

類である。呉羽化学が開発し、三共が販売したもので、一九七六年に厚生省の認可を受け、
二年後には年商五○○億円となった。しかし、発売一○年後の再評価により、大幅に薬効
評価がダウンした。「外科手術の後の補助の補助薬品」となったのである。
「補助の補助」で果たして「医薬品」といえるのだろうか。同じことはピシバニール(主
に消化器ガン用)にもいえ、これも薬効再評価で、ばっさり「適応症」の範囲が削られて
しまった。これも年商二五○億円を計上していたのである。
香川医科大学、神奈川県茅ヶ崎市の公立病院……。時折、新聞の社会面を飾る臨床試験
に絡む汚職事件が発生する。これらは臨床試験に対する社会的な認識を著しく下げる。が、
そこにはいまだシステム化されない過度期の臨床試験のあり方を垣間見ることもできる。

 

@まず被験者のインフォームド・コンセント(ICU同意)が「文書」(大学・公的病院)
で必要なため、被験者数がなかなか集まらない。
A既存薬の副作用は説明せず、臨床試験薬の副作用のみを説明するため、被験者に心理的
恐怖を与え、臨床試験の参加辞退に追い込んでいる。
Bプラセポ(疑似薬U薬効成分を含まないクスリの形をしたもの)使用の比較試験の被験
者同意が特に困難。外来患者にプラセポ投与の可能性を説明して臨床試験への参加を呼
びかけても、辞退される。
Cこのため、製薬会社と臨床試験の契約を結んでいる医療施設で契約症例数が契約期間内
で完了することがなく、臨床試験が長期化している。
要は被験者へのメリットがないということだ。被験者に金銭を与えるとか、服役囚には
例数」ある。

 

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